kearnyとセルロイド

kearnyとセルロイド

お久しぶりです。
志村です。
12月入って一気に寒くなってきましたね。この時期に外で飲むコーヒーとタバコは格別に美味しいですね。
寒いんでアウターの話でもしようと思っていたのですがkearnyからスペシャルなアイウェアーが届いたのでこのタイミングでkearnyについてしっかりとお話しさせて頂こうと思い今書かせていただいてます。
全部話すととんでもないボリュームになってしまいそなので今日はブランドの歴史とセルロイドに絞ってお話しさせていただければと思います。
[kearnyの歴史]
kearnyは2012年に僕らのお店feetsのオーナーでもある熊谷富士喜がスタートさせたブランドになります。
当時はまだfeetsはアメリカで買い付けた古着を扱っており熊谷も度々アメリカに渡っていました。
その当時よく寝床としていたのがカルフォルニア州サンフランシスコにある「kearny street」のモーテルでした。
ブランド名はここに由来しておりkearny streetはブロードウェイにも繋がるカルチャーの発信地でした。またこの道は70年代にレザーアイテム工房兼ショップなどが並んでいたそうで今でもその名残でジュエリーの工房兼ショップがあるそうです。熊谷は実は目が良いのですが幼少期からお兄さんの掛けていたメガネに憧れを持っていたそうで学生時代からメガネを度無しで掛けたり、メガネをコレクションしていたそうです。

そしてアメリカに古着の買い付けで行くようになると当然ビンテージの眼鏡に触れる機会がさらに増え昔のfeetsでは常にビンテージのメガネが置いてありました。そしてfeetsを運営しながら自分でもデザインをするようになりそこからKearnyの歴史がスタートします。
[セルロイド]
ブランドがスタートしたkearnyはセルロイドというプラスチックを使ってアイテムをリリースします。
このセルロイドを使用しているメガネは今現在世界的に見てかなり希少でアメリカやヨーロッパでは製造や輸入、輸出が禁止されています。

なぜ禁止されているのか、その理由はセルロイドの持つ”可燃性”にあります。
セルロイドは90℃の高温で溶け加工をすることができます。しかし極めて燃えやすく、170℃以上に達すると自然発火します。そのため保管や製造段階で工場の火事が発生するケースが多発し日本でも現在第5類危険物に指定されており20kg以上の所持には申請が必要になってきます。
さらにセルロイドは加工する際にも他のプラスチックに比べ手間がかかります。
まずセルロイドは生地を削り出すところから始まります。そこから手作業にて磨きを行います。セルロイドの磨きの作業は非常に高い技術が要求されるもので後継者問題に悩まされているそうです。
実際目視では確認できないくらいではありますが微妙に一点一点サイズが異なります。日本は技術が高いので本当に微々たる差ですが海外のブランドは目でみて分かるくらいばらつきがあるものもあります。

逆に言えば一点モノの手作りの証でもあるので作家さんの器のように愛着を持って接していただけると思います。
ここまでデメリットばかりお話ししていたんですがここまで大変な工程を踏んでまでこの素材を使いたくなる一番の理由はこの素材の持つ光沢感と透明感そして強度です。

眼鏡で使用されるセルロイドは3年間素材を寝かせたものを使用しており、強度が高く変形がほとんど見られません。
また、植物由来から作られる素材ならではの独特の質感や光沢があります。使用することで失われる艶も、研磨をかけることで何度でも光沢を取り戻すことができるのもセルロイド製眼鏡の良さです。これは掛けていただくと分かるのですが肌に吸い付くような掛け心地も魅力です。

kearnyは今年で10周年を迎えました。そこで今シーズンは過去のアーカイブにモデルの復刻を行なっておりセルロイドを使ったノー芯のアイテムが豊富にご覧いただけます。
是非店頭にてお手に取ってみてください。
ブログに戻る
  • 普遍的にいいもの

    Read more. 
  • 【後編】feets流!サンダルを使った夏のコーディネートを紹介します。

    Read more. 
  • 【前編】feets流!サンダルを使った夏のコーディネートを紹介します。

    Read more. 
  • stein 22AW Collection

    Read more.